No.4 楽譜に彩りを添える、記号類の入力
連載第4回目では《発想記号ツール》《アーティキュレーションツール》《変形図形ツール》を使って、各種記号類を入力する方法についてお話しました。
本誌で紹介したやり方で記号を一つ一つ入力していくのが基本的な操作方法なのですが、例えばスタッカートが連続してたくさん付いているような楽譜では、一つ一つスタッカートを画面から選択していくのは、ちょっとうんざりしそうです。
そんな時のために、Finaleには《マクロ機能》というものが搭載されています。
キーボードの各キーに記号を登録しておくことで、その記号を簡単に呼び出せるという機能です。
今回の連動Webでは、この《マクロ機能》についてご紹介します!
※本誌の記事とあわせてご覧ください。
では早速、実例で説明していきましょう。
次のようなスタッカートを入力する場合、一つ一つ記号を付けるかと思うと気が重いですね。

一度の操作で一気にスタッカートを付けられればいいのに…と、誰だって思います。
そんな時は、
- アーティキュレーションツールを選択
- キーボードの「S」キーを押しながら
- 下図の左上の○あたりから右下の○あたりまでドラッグする

すると…!

ジャーン!
一瞬にして、全部の音符にスタッカートを付けることができました。
「アーティキュレーションツール」選択時に『「S」キーを押している間は、範囲を選択したりクリックした音符にスタッカートをつける』という機能が働いており、通常より少ない工程で記号を入力することができます。
このように、作業量を軽減してくれる裏技を《マクロ機能》と言います。
では、別の例を見てみましょう。
次のような楽譜があったとします。

強弱記号がたくさん並んでいて、記号入力に時間がかかりそうですね。
でもご安心ください。「発想記号ツール」の《マクロ機能》を駆使すればあっという間に入力できちゃいます!
ピアノやフォルテなどの強弱記号は、「発想記号ツール」選択時、「1」~「0」の数字キーに登録されています。
これから入力したい強弱記号は「p」なのでキーボードの「7」キーを押しながら割り当てたい音符をクリックします。

これだけで、簡単に「p」が入力されました。

この調子で入力していけば、15秒くらいで全部の記号を入力することも可能でしょう!
では、どのキーに何の記号が登録されいるのかを知るにはどうすればいいでしょうか?
答えは簡単。
それぞれのツールの選択ウィンドウに小さく表示されています。
各記号の「右上」に表示されている数字やアルファベットが、「その記号が登録されているキー」となります。
発想記号ツール

アーティキュレーションツール

変形図形ツール
変形図形ツールにも《マクロ機能》があるのですが、上記2つのツールのように登録キーを確認する画面がありません。以下に代表的なものを記しますので、是非覚えてしまってください!
- 「S」…スラー
- 「V」…点線スラー
- 「D」…点線
- 「E」…波線
- 「L」…直線
- 「<」…クレッシェンド
- 「>」…デクレッシェンド
- 「T」…トリル
- 「8」…「8va」
- 「G」…グリッサンド(glissando文字あり)
- 「F」…グリッサンド
このように《マクロ機能》は、表に出てこない地味な存在ですが、作業時間を劇的に短縮してくれる、とても頼もしい機能なのです。
《マクロ機能》を習得すれば、記号入力のマスターになれること間違い無し!
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