Harmony Engine操作説明
各ノブや各スライダーの上へマウスをかざすと機能解説が表示されます。そのままクリックすると別ウィンドウに内容が表示されます。
Set Input Vocal Range
入力信号の処理アルゴリズムを設定します。Soprano Voice, Alto/Tenor Voice, Bass/Baritone Voice, Instrumentから、選択が可能です。インプットに適切なアルゴリズムを選択することによって、より素早く正確なピッチ検出と、より正確なモデリングを実現します。
Model Glottal
Model Glottalコントロールは、Harmony Engineで声門ウェーブフォームモデリングに使用するパフォーマンススタイルを指定することができます。Soft, Medium, Loud, Intenseを選択することができます。(オリジナルボーカルのスタイルを維持したい場合は、Mediumに設定してみてください)。
Bypass
プラグインをバイパスするために使います。このボタンを試用するとバイパスをオンにした際にクリックやその他のノイズが追加するようなこともありません。バイパスがオンになっているときでも、オリジナルインプットはプラグインの通常の処理ディレイを通過しますので、ハーモニーを追加したときと追加していないときで、シームレスに変化できるようになっています。
De-Noise
De-Noise機能をオンにすると、フォルマント修正/シフトの作業で生じたノイズを軽減することができます。De-Noiseをオンにすると高域をアッテネートしてしまうような印象を受けますが、アッテネートされるのは(ハイピッチになりがちな)ノイズだけです。(これは、大昔、カセットデッキでDolby NRのオン/オフを切り替えていた場合と良く似ています。)
インプット
Set Input Vocal Range
入力信号の処理アルゴリズムを設定します。Soprano Voice, Alto/Tenor Voice, Bass/Baritone Voice, Instrumentから、選択が可能です。インプットに適切なアルゴリズムを選択することによって、より素早く正確なピッチ検出と、より正確なモデリングを実現します。
Gain
Gainフェーダーは入力ゲインをコントロールします。
Solo
Soloモードをオンにすると、オリジナルインプットシグナルがアウトプットに送られ、同時に、ソロになっていないすべてのハーモニーボイスチャンネルがミュートされます。
Mute
Muteモードをオンにすると、オリジナルインプットシグナルがミュートされます。
Pan
Harmony Engineがステレオアウトプットに設定されている場合に、オリジナルインプットのステレオスペクトル上の位置を設定します。
※Harmony Engineがステレオトラックにアサインされていない場合、このコントロールは無効です。
Tracking
Harmony Engineでベストなパフォーマンスを得るためには、クリーンでピッチの存在するモノフォニックシグナルが必要です。特に、インプットのピッチを正確に認識するには、ボイスまたはソロインストゥルメントの、周期的に繰り返すウェーブフォームが必要です。Trackingコントロールは、Harmony Engineが周期的として認識する、受信するウェーブフォームに追加されたビブラートの許容量を設定します。クリーンで、うまく分離されているソロシグナルを使用している場合、通常はTrackingコントロールを25に設定すればOKです(25がデフォルト設定になっています)。
一方、もしシグナルがノイズが多い、またはうまく分離されていない(ライブ演奏や、ヘッドフォンからの音の漏れがトラックにレコーディングされてしまっている場合がそうでしょう)場合、または非常に息の多い、またはハスキーな声の素材を扱っている場合、最高のパフォーマンスを得るために、Tracking設定を調節したほうが良いかもしれません。トラッキングの問題を起こす原因の1つが、 過度の歯擦音やその他のピッチのないアーティキュレーションなどです。(コンプレッションの前に)ディエッサーを適用することによって、たいていこれらの原因を軽減することができます。
Harmony Voice 1-4
Gain
各ハーモニーボイスチャンネルの ゲインをコントロールします。
Solo
オンにすると、そのチャンネルのシグナルがアウトプットに送られ、同時に、同じくソロに設定されていないその他のチャンネル(ハーモニーボイスやInput Voice)がミュートされます。
Mute
オンにすると、そのチャンネルのシグナルがミュートされます。
Throat Length
そのチャンネルのハーモニーボイスの喉の長さを長くしたり短くしたりすることができます。 .75 から1.50の範囲で設定することができます。1.00以上の数値に設定すると、喉が長くなり、1.00以下に設定すると、喉が短くなります。実際の数値は、喉の長さのパーセンテージを示します。例えば、1.20の数値は、喉の長さが20%長くなったことを示し、0.80は、喉の長さが20%短くなったことを示します。女性のオリジナルインプットに、ハーモニーボイスを下にシフトさせて男性の声のように聞こえるようにしたい場合は、単にボーカルティンバーを変更する他に、喉の長さを長くすると効果的です。逆に、喉の長さを短くすると、男性のオリジナルインプットに、ハーモニーボイスを上にシフトして女性または子供のように聞こえるようにすることができます。
Interval
Fixed IntervalとSmart Intervalモードで、ハーモニーボイスのピッチ音程を、オリジナルインプットと相対的に設定します。両方のモードで、範囲は±2オクターブです。Fixed Intervalモードでは、ポップアップは、-24 から +24の範囲で、半ステップ単位で表示します。Smart Intervalモードでは、ポップアップは16va から16vbの範囲で、音程の度を表示します。このコントロールは、Chord Nameモード、MIDIモードでは無効です。
Pan
Harmony Engineがステレオアウトプットにアサインされている場合に、各ハーモニーボイスのステレオサウンドステージ上の位置を設定します。※Harmony Engineがステレオトラックにアサインされていない場合、これらのコントロールは無効になります。
Vibrato Rate
ハーモニーボイスのビブラートのレート(Hz)を設定します。範囲は1.0Hz から9.0 Hzです。
Vibrato Onset Delay
ハーモニーボイスのビブラートのオンセットディレイを設定します。ミリセカンド(ms)単位で設定し、最初はビブラートなしで開始し、その後選択した時間でゼロから最大ビブラート値へ移動します。750(ms)を選択すると、ノートが開始してから初めの750 msの間は、ビブラートは追加されません。次の750 msで、ビブラートはゼロから以下のAmountコントロールで設定した最大量まで移動します。従って、750の設定では、ノートの開始からビブラートの最大量になるまでに合計1500 ms(1秒半)かかることになります。
Vibrato Pitch Amount
このコントロールは、ボイスのピッチモジュレーションの深さを設定します。
Vibrato Amplitude Amount
このコントロールは、ビブラートのラウドネス量を設定します。
Humanization
Humanizeセクションの機能は、オリジナルインプットのビブラートやピッチジェスチャーをどのくらいハーモニーボイスに反映させるかを選択できるようにデザインされています。PitchとTimingコントロールの様々な組み合わせを試してみてください。非常に異なるボーカルアンサンブルを作成することができます。Timing Variationを最小に、Pitch Variationを高い数値に設定すると、リズム的にタイトでイントネーション的にはルーズなボーカルグループを作成することができます。逆に、これらの設定を逆にすると、しっかりとした音程の、リズム的にルーズなボーカルグループが作成できます。もちろん、この中間のバリエーションもたくさんあります。自分の曲に適した演奏スタイルを選択してください。
Naturalize
このコントロールは、ハーモニーボイスに反映させるオリジナルインプットのビブラートとピッチジェスチャーの量を選択します。オリジナルインプットに自然なビブラートが含まれていて、ハーモニーボイスのVibratoコントロールでプログラム可能なビブラートをハーモニーパートに追加しようとする場合、このコントロールは、通常0に設定して、ハーモニーボイスへ反映されるオリジナルビブラート量を最小限に抑えておくとよいでしょう。
Pitch Variation
Pitch Variationコントロールは、各ハーモニーボイスに適用するピッチのランダムバリエーション量を選択することができます。数値が高くなるほど各ボイスのバリエーションの許容範囲が大きくなります。
Timing Variation
Timing Variationコントロールは、各ハーモニーボイスに適用するタイミングのランダムバリエーション量を選択することができます。数値が高くなるほど各ボイスのタイミングバリエーションの許容範囲が大きくなります。
Glide
Glide機能は、ハーモニーボイスがレガートのフレーズで、ノートからノートへ移動するスピードをコントロールすることができます。
Transition Rate
このコントロールは、オーバーラップしているノート間の選択可能なグライドを設定することができます。このコントロールはミリセカンド単位で、目的のピッチの半分に到達するまでにかかる時間を設定します。 Glideは、次のノートが重なっている、または隣接している場合にのみ起ります。2つのノートの間に(たとえ数ミリセカンドであっても)無音部分がある場合、グライドは適用されません。
Freeze
Freeze機能では、オリジナルインプットの継続中に、ハーモニーボイスのフォルマントのみ、またはフォルマントとピッチの両方をフリーズさせることができます。どちらのモードを選択するかは、目的のエフェクトによって異なります。
Formant Only
Formant Onlyボタンをクリックすると、Formant Only Freeze機能がオンになります。ボタンが青色に点灯し、この機能がオンになっていることを示します。ハーモニーボイスのフォルマントとアーティキュレーションが、ボタンをクリックした瞬間でフリーズされます。Formant Onlyモードでは、ハーモニーボイスは現在のハーモニーモードに従ってピッチを変更し、Register、Speadコントロールの変化にも反応します。もう一度ボタンをクリックすると、この機能がオフになり、チャンネルが通常の動作に戻ります。このモードの便利なエフェクトの1つが、リードシンガー(この場合、オリジナルインプット)のバックでハーモニーを歌いながら、歌詞の特定の言葉を繰り返すバックグループのシミュレーションです。ただし、他にもたくさんの面白い可能性があります(使用するボーカルに大きく依存します)。いろいろと試してみて、自分自身で便利な効果を発見してみてください。※Formant Onlyモードは、Fixed IntervalまたはSmart Intervalモードでは使用できません。これらのモードでは、ボタンは無効になります。
Formant + Pitch
Formant + Pitchボタンをクリックすると、Formant + Pitch Freeze機能がオンになります。ボタンが青色に点灯し、この機能がオンになっていることを示します。ハーモニーボイスのフォルマントとアーティキュレーション、そして現在のハーモニーピッチの両方が、ボタンをクリックした瞬間でフリーズされます。ハーモニーボイスで1つのコードを維持しながら、オリジナルインプットのメロディを継続させたいときに、特に便利です。※Freeze機能をオンにした時点でオリジナルインプットにオーディオが存在し、最低1つのハーモニーボイスでハーモニーが演奏されている必要があります。そうでない場合、すべてのハーモニーインプットは、この機能がオフになるまでミュートされ、Harmony Engineが正しく動作していないかの様な印象を受けます。ご注意ください。
解説を別ウィンドウに開くにはそのままクリックしてください。
Register & Spread
RegisterとSpreadの2つのコントロールは、 付属のグラフィックディスプレイを使って、一緒に使用し、Chord Degrees, Chord Name, Chord via MIDIモードでのハーモニーノートの一般的な範囲と「距離」を設定します。これらのコントロールは、驚くほど簡単で直感的な方法でハーモニーをほとんどすべてのスタイルでアレンジすることができます。
Register
Registerコントロールは、生成するハーモニーノートの最低音の一般的な範囲を設定します。左端が最低、右端が最高音です。コントロールを移動するにつれ、グラフィックレンジディスプレイの最低音の境界が、合わせて変更します。コードの演奏中にこのコントロールを調節(実際のパフォーマンスではお勧めしませんが、このコントロールの機能を理解するのに役立ちます)すると、調節内容に対応して、コードの最低音がオクターブ上下に移動するのが分かるはずです。
Spread
Spreadコントロールは、生成されるハーモニーノートの「距離」を設定します。低い数値に設定すると、ハーモニーノートの感覚が非常に近く、高い数値に設定すると、ハーモニーノートが非常に広く離れて配置されます。Spreadコントロールを動かすにつれ、グラフィックレンジディスプレイの上限が合わせて変更します。
Harmony Presets
ハーモニープリセットシステムによって、ハーモニーコントロール設定の組み合わせを、15個のボタンそれぞれにアサインして、手動、またはオートメーションを使って瞬時に呼び出すことができます。簡単にボーカルアレンジを作成できる点と、簡単に素早く様々なハーモニーを試してみることができるという両方の点で、非常に強力なツールです。
特に、Chord DegreesまたはChord Nameモードでは、様々なコードをプリセットボタンにアサインし、数回のクリックで、ボーカルをほとんど無制限のハーモニー構造の組み合わせで視聴してみることができます。
ハーモニープリセットは、以下のコントロールの数値を保存します:
ハーモニーソースの転回型
Key/Root
Register
Scale
Spread
Chord
MIDI Velocity Sensitivity
Harmony Channel Intervals (fixed)
Harmony Channel Intervals (scale)
上記のコントロールはすべてのモードで使用可能ではないのでご注意ください。ハーモニープリセットをボタンへアサインする場合、選択したハーモニーモードで有効なコントロールのみが記憶されます。※Nameフィールドにプリセット名を入力せずに、プリセットをボタンにアサインすると、青色(プリセットがアサインされていることを示します)で、テキストが表示されない(プリセット名が設定されていないため)ボタンになります。プリセット名は必ず設定するようにしてください。
ボイスパラメーター Presets
ボイスパラメータープリセットシステムは、ボイスパラメーター設定の組み合わせを6つのボタンにアサインして、手動またはオートメーションで瞬時に呼び出すことができます。これによって、ソングの好きな位置で、「ボーカルグループ」のティンバーや設定を瞬時に変更することが簡単になります。
ボイスパラメータープリセットは、以下のコントロールの数値を記憶します。
Naturalize
Pitch Variation
Timing Variation
Glide Transition Rate
Original Input:
Solo
Mute
Tracking
Gain
Pan
Harmony Channels 1-4:
Solo
Mute
Gain
Throat Length
Pan
Vibrato Rate
Onset Delay
Pitch Amount
Amplitude Amount
CHOIR
AVOXプラグインの1つとして登場したCHOIRは、Harmony Engine Evoに統合されました。CHOIRは単体のモノフォニック音声を2、4、8ボイスの個々のユニゾンボイスに作り変え、各ピッチ、タイミング、ビブラートの変化を得られるユニークなプロセッサーです。個々のハーモニーパートにアサインすると、驚異的に大規模なボーカルアンサンブルができ上がります。
CHOIR Bypass
このコントロールは、CHOIR セクション全体のバイパスに使用します。
CHOIR On ボタン
Input Voiceと4つのHarmony Voice それぞれに、個々のCHOIR Onボタンが付属しています。ボタンが緑色に点灯している場合、CHOIRが、関連するボイスにオンになっています。
Choir Size
このコントロールを使うと、インプットまたはハーモニーボイスから生成される個々のボイス数を選択することができます。2、4、8ボイスから選択することができます。
Vibrato
Vibrato コントロールを使うと、生成されたボイスに適用するビブラートデプスのバリエーション範囲を選択することができます。
Pitch/Timing
Timing設定を最小値に設定し、Pitch のバリエーションを大きく設定すると、リズムはしっかり一致しているが、イントネーションは少しずれたコーラスができます。逆に、これらの設定を逆にすると、チューニングはしっかりしているが、リズムの少しずれたグループができます。
Stereo Spread
このコントロールを使うと、生成されたボイスをステレオのスペクトラム上に分散する程度を選択することができます。0に設定すると、すべてのボイスがステレオのセンターに配置されます。値を高くすると、各ボイスはセンターから外側に広がります。